食品ロスとは日常的に廃棄されている、まだ食べることができる食品を表します。2017年度の推計では、日本全体で年間648万トン、国民1人あたりに換算すると年間48kgの食品を廃棄しています。これは、国民1人が1年間で消費するお米の量に相当しています。
2019年10月には食品ロス削減推進法が施行されました。法律では、食品ロスを削減していくための方法として、①それぞれの立場において食品ロスを削減することに取り組み、食べ物を無駄にしない意識を定着させる、②まだ食べることができる食品は廃棄せず、できるだけ食品として活用するようにしていくために、生活に困っている人たちに食品を提供する「フードバンク」への取り組みを国として支援する、の2点が挙げられています。
食品ロスはどんな問題を生じさせているのでしょうか。ひとつは、食品を廃棄する、すなわちゴミとして処理する過程で温室効果ガスが発生していることです。2011年に国連食糧農業機関(FAO)が行った調査によると、廃棄された食品から33億トンもの温室効果ガス(二酸化炭素換算)が排出されています。これは、世界全体で排出されている温室効果ガスの約8%を占めています。つまり、食品ロスによって地球温暖化が促進されています。
もうひとつは、食品を生産する過程で水や土地などの資源を使用していることです。つまり、食品を廃棄することは、それらの資源を無駄にしていることと同じです。2011年に国連食糧農業機関(FAO)が行った調査によると、廃棄された食品を生産するために世界全体の農地の約30%が使われています。つまり、食品ロスによって地球の資源が無駄になっています。
まとめると、食べるために作られた食品を廃棄することは、地球の資源が無駄になるとともに、地球の環境にダメージを与えていることになります。さらに、災害備蓄用食品だけでなく食品を廃棄する過程では、少なくないお金をかけています。
ロスチェンジプロジェクトでは、これまでは廃棄されてきた賞味期限切れの災害備蓄用のお米から「kome-kami」を作ることで、食品ロスについて知り、食品ロスを防ぐような行動をとってもらうとともに、売上の1%をフードバンクに寄付することでフードバンクへの支援を行っていただきたいと考えています。