廃棄される「もみがら」を活用した
紙の新素材「momi-kami」を開発
momi-kamiとは?
日本だけで年間約200万トン、世界中では年間約1億トン以上も排出されている「もみがら」ですが、多くが廃棄物として処分されています。そのようなもみがらをアップサイクルした紙がmomi-kamiです。地球環境に配慮した循環型社会の実現に貢献します。また、素材の売上の1%をフードバンクに寄付することで、フードロス問題の解決を目標とします。
伝統的なお米と紙の関係
実は、日本は古くから紙にお米を使う文化がありました。特に、江戸時代には多種多様な米入りの紙が生まれ、再生紙にお米を入れることで白くしたり、筆のにじみ防止ののために使われたりしていたようです。ただ、「もみがら」はこれまでは固く紙には不向きだったためか、活用はされていませんでした。今回は特殊な加工を加えることで紙への活用を実現しました。
紙の特徴 ~印刷性や加工性がありパッケージ用途に最適~
もみがらを紙の表面に出ないようにすることで通常の紙の印刷性や加工性を損なうことなく、もみがらを活用することができました。コートボール紙と同等の品質を実現できたため、パッケージやスリーブなどへの活用に最適です。
momi-kami誕生の背景 ~もみがらの廃棄問題~
お米のもみがらは、日本だけで年間約200万トン、世界中では年間約1億トン以上も排出されています。 焼却時に発生する煙や悪臭のため焼却処分が禁止されている地域も多く、近年多様な活用法が提案されていますが、多くが一般廃棄物として廃棄されていますが、これを有効活用できないかという問題提起をいただき、開発プロジェクトが立ち上がりました。普及を目指すために、コートボール紙相当の印刷性や加工性を実現できことを目標とし研究開発を進めました。当初はもみがらの硬さや軽さから素材開発が難航しましたが、約10ヶ月かけ2022年7月に最適な手法を編みだすことに成功。表面にもみがらが露出しないよう製造することで、印刷性や加工性を損なわない品質を実現させた、momi-kami コートボール紙の開発に成功しました。
momi-kamiはフードバンクを応援します
年間の食品ロスは634万トン。実はこの数値には食用ではないと事業者が判断したものは含まれていないので、本質的には更に大量のロスが発生していると考えられます。
フードバンクでは食品ロスが出ないように食材を集め、生活困窮者などへ支援を行う活動を行っています。それでもロスはどうしても発生してしまいます。momi-kamiはその売上の1%をフードバンクに寄付することで、すこしでも食品ロスを有効活用できるようにフードバンクを応援しています。
momi-kamiが目指す循環型社会
商品を使ってもらった後は古紙として循環されるため、
また再生紙として生まれ変わります。
このようにmomi-kamiは循環型社会を示現します。
momi-kamiはSDGsに貢献します
-
住み続けられるまちづくりを
多く焼却処分されていたもみがらを活用することで、焼却時に発生する煙や悪臭の低減に繋がります。
-
つくる責任、つかう責任
多くが焼却処分されていたもみがらを紙素材に活用することで、循環型社会づくりへ貢献します。
-
気候変動に具体的な対策を
もみがらを紙素材として活用することで、パルプの使用量を削減することに繋がります。
-
海の豊かさを守ろう
プラスチックを使用していたパッケージをmomi-kamiに代替することで海洋プラスチックごみの削減に繋がります。
momi-kamiの取り組みについて
紙や紙製品の商品を販売する株式会社ペーパルがSDGsの取り組みとして、ロスチェンジプロジェクトを2020年に立ち上げました。食品ロスを価値あるものにチェンジする紙、名付けて「フードロスペーパー」やその他の素材を世の中に広め、食品ロスを完全になくすことを最終目標としています。今回開発した素材がフードロスペーパー「momi-kami」(コメカミ)です。